過眠症の主な症状
以下のような症状が長期間にわたって続いている場合、過眠症が疑われます。
- 日中に強い眠気があり、我慢できずに寝てしまう
- 睡眠時間を十分確保しているのに、常に眠い
- 突然強い眠気に襲われることがある(ナルコレプシーの可能性)
- 一度寝てしまうと、起きるのが非常に困難
- 頭がぼんやりして仕事・勉強に集中できない
- 朝起きられず、遅刻が多くなる
こうした症状により、仕事・学校・家庭生活に支障が出ることが少なくありません。
過眠症の主なタイプ(疾患分類)
過眠症にはいくつかの種類があり、それぞれ原因や治療方法が異なります。
- ナルコレプシー(Narcolepsy)
突然、耐えがたい眠気に襲われ、意図せず眠ってしまう病気。感情が高ぶったときに力が抜ける「情動脱力発作(カタプレキシー)」を伴うことがあります。 - 特発性過眠症
夜に十分眠っても眠気が取れず、日中に強い眠気が続く。ナルコレプシーとは異なり、情動脱力発作は起こりません。原因ははっきりしないが、脳の睡眠調節機能の障害と考えられています。 - 睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの二次性過眠症
いびきや無呼吸によって夜間の睡眠が浅くなり、日中に眠気が残る。特に肥満の方や中高年男性に多くみられます。
過眠症の診断と治療法
過眠症は、症状の詳しい聞き取りと、睡眠の質・パターンの把握が重要です。
- 診断
- 睡眠日誌やエピワース眠気尺度などのチェックリスト
- 睡眠ポリグラフ検査(PSG)
- 複数睡眠潜時検査(MSLT)
- 治療方法
- 薬物療法
覚醒を促す薬剤(モダフィニルなど)を使用、適応や副作用に配慮しながら、必要最低限で使用 - 原因となる病気の治療
睡眠時無呼吸症候群がある場合はCPAP治療など、うつ病などの精神疾患が原因の場合は、精神科的治療を併用 - 生活習慣の改善
規則正しい睡眠リズムの確立、30分以内の短時間の昼寝、食事・運動・ストレス管理
このようなご相談が増えています
- 寝ても寝ても眠気が取れない
- 日中に強烈な眠気に襲われて困っている
- 毎朝起きられず、社会生活が難しくなっている
- 睡眠外来を受診すべきかわからない
- 自分の眠気が「病気」なのか判断がつかない
過眠症は、単なる「怠け」や「疲れ」ではなく、れっきとした病気です。
ご本人だけでは判断しにくいことも多いため、違和感があればお気軽にご相談ください。
「眠気」は、心と体からの大切なサインです
過眠症を放置していると、仕事や学業、人間関係にも大きな影響が及びます。
また、うつ病や自律神経失調症が隠れていることもあります。
当院では、あなたの眠りと生活をトータルに支える診療を行っています。
「自分の眠気は普通じゃないかも」と感じたら、ぜひ一度ご相談ください。